猫よっといで

飼い猫が死んでから我が家は鼠に無防備な状態が続いている

農村地帯で鼠と言えば野ねずみ

ドブネズミもいるけれども家に来るのはちっこい鼠が多い

外に食べ物がある時期はあまり家に入る心配はない

が 一旦入られると 環境のすばらしさに出て行こうとしない

全く困ったものだ

 

==猫が外にいると鼠は中が安全である==

以前、仙人が我が愛猫を外におい出した事がある

暖かい気候で猫は困る様子もなく屋根裏や物置で過ごしていた。

家の中は猫に荒らされることがなくなりきれいになるはずだった

カサカサ ピタッ カサカサ・・・・

は 夜中にもかかわらず飛び起きた

大きな洋服ダンスや和タンスをどけてみた

畳にわらの家ができていた

その時点で猫は起こされて呼び入れられた

我が家は以前にも増して猫天国になった

星の下に生まれる、って

 

まちがった星の下に生まれたにちがいない

 

星の下に生まれるってなんなの?

人は皆輝いている、とか

恒星と惑星

一等星と六等星とそれ以下と

流れ星もある

 

☆は流れ星に生まれてあっという間に消えれば良かったんじゃない?

そうすればみんなうまくいったかも知れない

私のすぐ後に生まれるはずだった「人」も流されずに住んだろうに

 

私☆と弟の間に流された命があった

なんでそんなことになったかというと

「☆に手がかかったからムリだった」

そうだ

下ろせるぎりぎりまで考えて流したそうだ

 

知ったのは二十代だけどねぇ

母は話題にのって話していた

☆も普通に聞いていた

 

でもねぇ

いいのか?

☆がいるのに

成人とはいえ少々は気になる

大いに気になる

生まれを恨む

流れた命に謝罪する

よね

 

両親の思いはもしかして

あっちだったら良かった

だったら

☆は何を思えばいいのだろうか

何を背負って生きればいいのか

 

後悔って

☆がするものじゃないだろう

両親だってしても始まらないし

 

☆はくず星だよなぁ

流れ星になれば良かった

一瞬光って人の願いをいっぱい聞いて

 

特別は認識しない

小学校の入学式からあった祭壇は美しかった

見たい 触りたい 後ろに行きたい

 

祭壇のある部屋は入るとかくれんぼをはじめるから
立ち入り禁止だ ひっくり返されたら
そりゃ 大事だもんな

お葬式の数日間、親の顔を見ていない
親の方はちゃんと☆を見ていたようで
「いなかった」と言ったら
「そんなことない、毎日会ってた」と言われた

☆は会うだけではたとえ親でもわからない
声を聞かないと、話をしないと、わからない
姉がずっと一緒だったので心細くもないし
忙しいのだろうと思って探しもしなかった
後からおもうのだが、
母が黒い服を着ていると確認していなかったと思う
普段と違う姿には☆の目も頭もついていかない
そばにいても母だと思わない可能性が高い
何しろ ☆の認識方法最重要は色と声だ
普段ありえない色だと 誰であれわからない
声が聞こえなければ 知らない人だと思い続ける

そのうちに祭壇も消え 親ともめでたく合えて

葬式饅頭もなくなって

めでたしめでたし

葬式まんじゅう化けて出る

数日間葬式饅頭食べ放題

もういらない
よく似たデザインのチーズ風味のふわふわ蒸しパン
美味しいけど、思い出す
はんぺんを焼いても 思い出す

小学校の入学式から帰ると 入学したてのほやほやだと言うのに
待っているのは葬式饅頭のおやつ

姉;いくら食べてもいいからね
単品と言うのはつらいものだ
カチカチになってもまだある

姉;ほしかったらまだあるよ
ほかには何もない
歯が立たなくなると中身のアンだけ食べる
☆;いらない
姉;そういわずにどうぞどうぞ
☆;美味しくない
姉;最初あんなに喜んでたじゃない
遠慮することないから ささ どうぞどうぞ
自分の分も押し付けていたのではないかと思われる

 

そのうちに祭壇も消え 親ともめでたく合えて

葬式饅頭もなくなって

めでたしめでたし