葬式まんじゅう化けて出る

数日間葬式饅頭食べ放題

もういらない
よく似たデザインのチーズ風味のふわふわ蒸しパン
美味しいけど、思い出す
はんぺんを焼いても 思い出す

小学校の入学式から帰ると 入学したてのほやほやだと言うのに
待っているのは葬式饅頭のおやつ

姉;いくら食べてもいいからね
単品と言うのはつらいものだ
カチカチになってもまだある

姉;ほしかったらまだあるよ
ほかには何もない
歯が立たなくなると中身のアンだけ食べる
☆;いらない
姉;そういわずにどうぞどうぞ
☆;美味しくない
姉;最初あんなに喜んでたじゃない
遠慮することないから ささ どうぞどうぞ
自分の分も押し付けていたのではないかと思われる

 

そのうちに祭壇も消え 親ともめでたく合えて

葬式饅頭もなくなって

めでたしめでたし

ニワトリ

 私の子供時代は家に鶏がいた。

県庁所在地のど真ん中なのに、たくさん飼っていた。
父が結核で栄養豊富なタマゴを毎日食べるためである。
 


鶏は苦手だ
せっかくミミズを取って食べさせようとすると
われ先にと集団で飛びついてくる
たまらず投げ出すと 大群でミミズのほうに行ってしまう
こわい上に薄情だ いいのは姿だけじゃないか
 

・・・・・・・・・・・・・

     オトリ

私はタマゴを取り行くたびに、ニワトリに襲われた。
小屋に入るときにはサっと入らなければいけない
5才くらいからやらされていた と記憶している、
 
入り方が下手だ、と何度も叱られた。
気をつけて入ったら、タマゴを探す。
どのメスも私を見ると威嚇する。
顔を向けるだけで羽を広げて、こっちへくるなという。
それでも手ぶらで帰ると叱られるから がんばる。
何とか(こわごわ)ニワトリに近づくと 今度は攻撃されて
小屋の隅に追い詰められてしまう。
必死にこらえるがたいてい身動きできない
 
そのころを見計らって 今日もか・・・と
誰か(たいてい姉)がタマゴを取りに来るのだった。
 
そう。助けにきてくれるわけではないのだ。
 
「もたもたしてるからニワトリにまで馬鹿にされる」
ニワトリが私を取り巻いているすきに
無防備なたまごをさっさと持っていく。
 
 今日も手ぶらのタマゴ鳥(取り)
 
鶏は昼間行くと「どうぞどうぞ」と立ち上がって巣を見せてくれる
今置いてきた餌のほうが気になるようだ

の辞書
 「おとり」 鶏小屋の