自転車 2 衝突

だいたい自転車というものは音がない

ぶつけられる痛みを知らずにすむ乗り物だ

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最初の自転車事故は幼稚園に入ってすぐ。

 

幼稚園の通園は結核療養中の父が付き添ったが

道を覚えてからは一人で通った。

自力通園を初めてまもなくだったと思われる

 

もうすぐ国道 と言うところで

遅刻寸前らしい通勤途中の自転車に引かれた。

 

 

歩いていていきなり空が見えた。

くもり空の白い空

次の瞬間 

痛い!

動けない!

わーーー

 

泣き声が響き渡ったのだろうねぇ

大勢の人が集まってきたのを覚えている。

ぶつけた男の人が

「大丈夫?」と聞いたのも覚えている、が

痛くて返事はしなかったはず。

 

とにかく私は家に連れて行かれ

父の背中に乗り換えて近くの外科に行った。

ひざの裏側に怪我をして数日間歩行禁止。

翌日からは父の自転車で快適通院である。

 

父の自転車は心地よい

この快適な記憶が「あれこれ」に勝ってしまう

後々の 「大丈夫」 だって 自転車の風には勝てないのだ 

 

 

父は正当に外堀を埋めるのが上手い

母は気遣ってくれるが父の思惑に乗っかる=それが生きる知恵だと言う

両方の手腕を手に入れれる、と☆は密かに思う=こう思ったのが何歳だったかは覚えていない

 

 

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