えだまめをもぐ

小学校から大人まで枝豆もぎは☆の仕事だった

 

学校から あるいは遊んでから家に帰ると台所に どーん と枝豆の山がある

 

あればもぎとる それが仕事だ

いいわけなど存在しない

だいたい、いやだと思わない

 

笹の葉さらさら みたいな大きな枝の端っこから順に枝だけにしていく

全部取るから枝だけ残る

 

必然的に枝だけ残る

豆のかごも枝もそのまま置いておく

 

いつの間にかゆであがって食卓に上がったり

父の宴会に持って行って何にも残っていなかったりする

 

食卓になければ枝豆の処理をしたことすら記憶にない

それほど「当たり前」のことだった

 

 

 

 

仙人は畑が好きだ

ある年枝豆を育てた

枝を山ほど持ってきたので手分けをしてもぐ

仙人は目で視て豆を取る

星ははじっこからなにも考えずにもぐ

星の枝には豆はない

 

仙人は最後に枝の点検をして残ったのを取る

それが当たり前らしく 取りこぼしを探しながら取っていく

 

星はそれをしない

だって 残っているわけがない

父の教育のたまものなのだろう

 

仙人が☆の仕事後を丹念に調べる

一つでも残っていたら「あった、あった」と大喜びで見せつけるのだろうが・・・

 

そうはさせるか 父の教えは完璧なのだから

私は仕事なら競争をしない

強いて言うなら 完璧かどうかのラインはある

 

仙人は家族の誰よりも一番を望む

 

・・・しるか!!

 

以降仙人は枝豆もぎをしない

取ってきた豆付き枝は山になって無言の状態

 

 

・・・☆は黙って豆をもぐ

 

 

学校のお客様 6 汽車の力

どんどん遠くまで行くようになる

だって 同じ所は危険だし

 

家から給食までの時間に歩けるところは全部歩いた

 

そんなある日線路を見つけた

山田線の単線線路

山田線は一時間に一本くらい

音が聞こえなければ大丈夫

 

大丈夫は危険な言葉なまず

自転車の大丈夫が危険なのは姉の言葉だから・・・

自分で自分に使う大丈夫は大丈夫なのだ

 

線路に耳をつけても音がしない

駅からそう遠くないから走ってない

馬鹿なはずの☆はそういうことに頭が働く

線路は続くよ何処までも ラララ・・・

ご機嫌に歩く

 

線路の石はなんで茶色いのかな

線路の板は等間隔で飛び飛び快適だな

 

側溝があって線路が浮いている

「路傍の石」が頭に浮かぶ

おそるおそる踏み出す

下は水、落ちたくない

一点集中で数歩進んだところで

汽車の音

 

考えずに飛んだ

下ではなく 斜め前の草むらに

何とか水に落ちずに草の中に転がれた

とたんに汽車が来る

汽車の下が見えるかな、なんて思ってたらものすごい力で吸い込まれた

その辺の草をにぎり締め

身体全体土にへばりつかせて必死に耐える

浮きそうになると草をもっと強く、足を踏ん張って地面から離れないようにがんばる

汽車が走り去っても起き上がれなかった

駅が近いのを考えなかった

 

側溝の線路を渡るときは 線路に耳をくっつけて安全を確認してから渡ろう

なんて自分に言い聞かせても

次からは;不安定な;線路の上は避けた

 

克服したいと思わなかった案件である

学校のお客様 5 迷子は焦るものだ

長町からどんどん離れていった

なんせ疲れ知らずの☆ちゃん

お散歩もどんどん早足になる

道は途切れず田んぼも一面見渡す限り

 

空気はこやしのにおいがするからあまりよろしくないけど

 

・・・!!!

・・・???

どこ

 

さっぱりわからない

給食には行かないと叱られる

じっと止まって考えた

 

肥やしのにおいの所まで行けばわかる

鼻をクンクン

クンクン

焦る 焦った気持ち、覚えてる

 

無事に給食に間に合った

 

 

学校のお客様 4 のどかに散歩

長町を卒業すると行くところがないので長町から先へ行ってみた

 

田園地帯が広がって実にのどかで誰もいない(☆の近くには)

のんびりあぜ道を歩く

我が家の裏にある田んぼのあぜ道はシーソーくらいの幅しかなくて良く落ちるのだが そこはもうちょっと広くて何とか歩けた

 

気持ちよい

どこからか肥やしのにおいする

鼻には突くけれどそれほど不快ではない なんだかのどかだ

 

いい気分で散歩していたら太陽は真上にある

一直線に家に帰ってランドセルを縁の下から引っ張り出して学校へ行く

ぎりぎりセーフ

息を切らし汗だくで飛び込んでも先生はなにも言わないい

ほかの生徒もいつも通りだ

学校のお客様 3 ながまち{長町}で等間隔を身体に刻む

家の近くに長町というまっすぐでなが~い通りがあった

先が見えないほど(☆には)まっすぐでひたすら長い

道路はコンクリの正方形の板がはめ込まれていてとってもよい

母に言わせると ただのコンクリを並べただけで舗装じゃないのだそうだ

そんなことはちっともかまわない

道路が全部マス目上になっている

しかも白い 美しいのだ

大のお気に入りスポットだった

学校に行かない☆はそこではねる

一マスおきに着地するようにしっかり見てはねる

何しろ何処までも続くのだから真剣にはねる

コレが意外に難しい

ちょっと気をそらしても疲れてきても真ん中に着地できなくて次は外してしまう

マスターするまで☆は諦めないのだ

誰も声をかけてこなかったから相当の日数居座った

 

医大の階段と長町で等間隔マスターである

 

 

 

学校のお客様 2 遊園地はあぶない

学校へ行かなくて良い

学校へ来てほしくない

 

よく理解していないのかわかっているのか

朝ランドセルを背負って元気よく家を出る

学校まで行き一年生の教室の脇から木の陰に行く

以前転んでも誰も助けに来なかったからそこなら誰にも見つからないだろう

医大で培った隠れテクニックが生きる

すぐ飽きるのでこっそり学校を出て遊具のある公園(遊園地)に行き遊びまくった。

ブランコも天まで大ぶり

鉄棒は逆上がりは入学前にできていたけどそこから何回でも回転できるようになった

念願の鉄棒の上に座るのもなんとかなった

ジャングルジムは完璧把握

シーソーは一人では無理

滑り台は階段を使わず簡単に上がれるようになった

雲底は大得意に

 

 

遊園地は午前中の居場所になった

 

世の中そう甘くない

「こんにちは」

・・・「こんにちは」

「私は指導員というのだけれども、最近ランドセルを背負った女の子が遊びに来ていると聞いてきたんだけどあなたかしら」

・・・(これは関わってはいけない)

逃げた

「待って」と聞こえて待てるか

 

 

翌日から遊園地はさけた

ランドセルもいけないらしい

 

朝家を出てこっそり戻り 縁の下にランドセルを隠して出かけることにした。

毎日外にいると太陽の位置でお昼がわかる 給食に併せて家に帰りランドセルと背負って丁度良く入れるようになった

そろそろ給食かな、と学校へ戻りベルを待って教室へ行く

誰も何も言わないからそのまま席について放課後までいる

それが普通になった

 

 

 

 

克服できなかった遊びが二つある

一つは上り棒

木登りは得意なのに上り棒はちっとも上に行けない

それでもしがみついていた

 

当時は足も使うなんて想像もしなかった 当然上へは行けない

他の人がどうやって上るかを見てるつもりで見えていない

手を持ち替えてる所と身体が上がっていくところしか視なかった

大人になって「未来少年コナン」のアニメを視て 「あぁ、足も使うのか」などと知ってももう上り棒はやらない

独学は限界があると何十回目かの理解にうなずくのである

 

もう一つはシーソーの端から端まで駆け抜ける

男の子が良くやっているのに私は落ちる

ゆっくりでも足を外す

未来永劫未だに板の上は歩けないままである

理由は極簡単で 片眼なのにそのことを本人が知らないからである

 

 

お昼からは学校へ行っていたから休んでいることにはなっていない

もし指導員に捕まったらどうなっていたのだろうか

今にしてみれば疑問たっぷりである

当然先生は校長に怒られたんだろうな

一年間捕まらなかったのは ☆が優秀なのか

あるいは先生が上手かったのか

大っ嫌いな神様のいたずらか

 

学校のお客様 1 新しい担任は斜め上

☆は3年生になった

 

小学校入学時の担任は視力が落ちたから(緑内障)とやめてしまった。

通常1=3年・4~6年は同じ担任なはずが3年は別な担任がやってきた。

 

この担任(熊谷先生=男)最初の挨拶で言ってくれた

「☆さんはお客さんなので授業は来なくていいですよ」給食から来てね」

「目の悪い人は音楽は良くできるから音楽のある日=週二回=は朝から来るように」

クラスの皆さんも☆さんがいなくても気にしないように」

 

☆は学校のお客さんなんだ

って、なぜに☆はすんなり理解するのか

未だ(72才)に理解不能であるが、そのときは学校に来なくていい、毎日遊べる、とそりゃ、喜んだ。

担任は個別に呼び出して

給食には必ず来ること

朝はランドセルを背負って今まで通り家を出ること

親には内緒にすること

音楽はきっちり勉強すること

などなど注意は怠らない。

この時点で☆をバカだとは思っていないのだろう ただ、☆がいては面倒なのだ

☆、小学3年生8才で新世界「自由」を取得?した

ってか この担任なに考えてんだろう

幼稚園の担任も最悪だったけど

この熊谷先生もド外れ相当だ 

ただ、☆の行動力はこの時期に育っている。後々盲学校に入ったときにこの時期が有益だったと知った。

熊谷先生は学校教員としては評価ゼロでも☆との出会いに関しては良かったと思う。

もうちょっと普通の勉強も教えてくれれば良かったのに。3年生の漢字とか算数とかスポッと抜けたから あとで大変だった。 

 

この担任は音楽専門で なぜか音楽は厳しかった

鍵盤ハーモニカも普通のハーモニカも

クラスの模範演奏をさせるなど評価してくれたし 楽器の扱い方も丁寧に教えてくれた。

☆は声がいいらしく歌も独唱をしたことがある

そして うっかり音楽もサボるとすごく怒られた。

ただ、授業に出ないから一般教科丸抜け、通信簿は最初から予定していたのか音楽5 その他1 と言う具合。

担任は通信簿に1をつける生徒を明確に確保するらしいと後で知った

星は丁度良い存在だった

下手に良い成績を取ると「1」がいなくなる %で5段階評価とは「1」の確保が大変らしい

だから授業を受けさせない

 

 

先生!それ、ダメだから  

なんて今更だ

 

うん 当時は気にせず おおらかだったなぁ

 

父の「☆=盲目=はバカ」という思いが照明されたに違いない。

これは大いなるマイナスかな

熊谷先生は☆をバカとは思っていなかったようだ

音楽などほかの生徒より厳しかったから

☆は一年間 療養中で家にいる父にバレることなくサボり続けた

 

母はうすうす感づいていたらしいが中学の教師で日中のことは父に任せているから口出しできない。

「☆、学校にちゃんと行っているの」と聞いてくれれば ☆は正直&悪いと思ってないから答えたに違いないが

そういう聞き方はしなかった。

故に ☆は自由を満喫し、とっても賢くなったのだ

 

3K ゴキブリ5 夜中のガス警報2

今年も真夜中のガス警報で起きる

面倒でも確認はしないといけない

やはり床から肌色

ああ、パジャマの上だけ着てた

でも 背伸びなんだよね

キモチワルイ

 

ガスの警報器はボタンを押せば止まるのに

なぜか覚えない

 

猫がいないので安心しておけると

ブラックキャップ なるモノを置いてみた

 

嘘みたいに、ゴキヴリが消えた

期待以上の商品だ

 

 

ゴキブリ1  https://emie.world/%e9%97%87%e6%98%9f/153

ゴキブリ2  https://emie.world/%e9%97%87%e6%98%9f/157

ゴキブリ3  https://emie.world/%e9%97%87%e6%98%9f/159

ゴキブリ4  https://emie.world/%e4%bb%99%e4%ba%ba%e7%89%a9%e8%aa%9e/504

 

 

 

 

 

 

3K ゴキブリ4 夜中のガス警報1

真夜中
ガス警報で飛び起きる

ああ、ご近所さん起きなきゃいいな
そう思いながら
仕方が無いから台所へ行く

床近くのガス警報器から
遙か上にあるコンセントに
肌色の塊が一本

服を着ろ

 

 

ゴキブリ1  https://emie.world/%e9%97%87%e6%98%9f/153

ゴキブリ2  https://emie.world/%e9%97%87%e6%98%9f/157

ゴキブリ3  https://emie.world/%e9%97%87%e6%98%9f/159

ゴキブリ5  https://emie.world/%e4%bb%99%e4%ba%ba%e7%89%a9%e8%aa%9e/506

3K ゴキブリ3 やめてよね

起き上がり朝の支度を始める

我が家は洗面所がないので台所へ行き歯磨きを

歯ブラシを手にいざ口へ

・・・・・・・・・・・・

なんか黒いのが見えた気がする

 ・・・・・・・・・・・・・

落ち着こう で 息をのむ

 

歯ブラシのブラシ部分に大きく黒いのがくっついて動いている

刺さって逃げられないらしい

じっくり見始めて 逃げる前に捨てることにした

いらない袋に入れてゴミバコへ

 

さわやかな朝は何処へ行った

 

見えて良かった

気づいて良かった

視力があるしあわせに心底感謝

 

 

今年は娘がいなかったから2月のゴキ退治サボったんだよなぁ と 大反省

夜のゴキブリ退治を再開し朝一番にほうきとちりとりを手に回収したゴキの数を数えるのである

 

もちろん歯ブラシは確認の上使う

一年たってもまだ歯ブラシは確認しないと気が済まない

二年たっても変わらず

3年たって気を引き締めなおすのである