エッセイ風 ☆のぼやき2

あなたは知っているか
「おまえはだめな人間だ」


「おまえはダメじゃない」

同じ意味であることを

「おまえはだめじゃない」といわれて
信じたいあまりにしがみつき、その人をあがめ、
自分を偽り、慰めている愚か者よ。

自分は悪くない から 人生を克服た

悟りを得た と 錯覚する

おまえが信じた師も、おまえ自身も
ほしいものは「天下」

弱い者を従えて虚勢を張る愚かさを知れ

  ああ くだらない

最も愚かなのは 
それがわかっていて鎖を切れない自分自身

 

エッセイ風 ☆のぼやき1

「あなたは呪われた運命の下に生まれた」
なんて言う人がいた

その言葉を発する前にほほえんで安心したに違いない
「ああ、自分はあなたのようじゃなくて良かった」

人と比べて優位に立つ自分を見て安心する

くだらない

 

人の運命を語るのはよそう

で、

私は、どう見ても呪われてるだろう。

生まれたことが間違いで、
必要のない人間で
早くどうにかなってほしい存在で
いくらあらがっても結局抜け出せない

誰が悪い、って
少なくとも「私」ではない
絶対「私」じゃない

とにかく私は呪いを呪う、

 

数学は楽しい

中学に入ってから毎日我が家の塾に通い母から指導を受けた

塾は来た時間から決められた時間勉強する、

週三日とか四日とかなはずだが、☆は例外で毎日で時間制限もない。

ようは、あまりに勉強ができない☆を知ってしまった母が本気を出しただけで・・・

「来た時間から」だから 友達と遊んで帰ってもかまわない。一番混むのは7時頃、机が満席になると☆は解放される。

ちなみに机は正座式の長机。父が催す宴会に大活躍する。

本当は逆で、我が家に大量にあった宴席用の長机を勉強用に使っただけである。

世の中座敷用の机に文句を言う人などいない時代であった。

 

 

机は銅でもいいのだが

帰宅部・クラブ活動後・夕食後様 と来る時間は何となく同じ顔がそろってくる

一斉授業はない。

一年生はひたすら基礎学力の向上時間だった

小学校の勉強をろくにしていない☆には最適の勉強方法だった

 だって机に拘束されて課題やらないと出してもらえない、

最初は正負の計算、これは大変気に入った。星は単純作業が大の得意である

母手製の十枚綴りのドリル=まだくもんがなかった頃のくもん式=

一冊もらって机にへばりつき、100問終わると採点してもらう。

100問満点で次のをもらえる

99点でもやりなおし 同じのが手わたされる。

一回でクリアしたいと張り切る

一斉にスタートじゃないのに周りより速く提出したいと集中する

手書きガリ版印刷で今のように当たり前にきれいな活字ではないけれど 両親の腕は確かで学校の先生のプリントより断然見やすかった

用紙から5センチで見えていたと思う、

おんなじ課題何回もやらされれば最初のあたりは問題を視るまでもなく答えがかけてしまうのだけれども・・・

 

数学は大変良好で学期末テストで上位者に名前が張り出されている、と同級生が教えてくれた。しかもすごく上の方に。快挙である

ちなみに我が学年は50人クラス7組ある。100人張り出されても上位だ

通信簿も数学は1学年通して4だった

上位30番キープでも5にならないんだよねぇ、

汽車の窓から顔を出してはいけないよ

小学5年の時夜汽車に乗って静岡へ行った

 

どこかの駅で暇になる

5才下の弟が一緒で母は弟を視ている

 

待ち合わせだろうか、汽車は動かない

 

ヒマ

外は真っ暗

 

ヒマ

ちょっと窓の外を見る

窓から首を出して見る

遠くにとっても明るい光があった

ものすごく明るくてワクワクする

小さかった光はどんどん大きくなる

まぶしい程の光は

ふーっと見えなくなった

首を引っ込める

刹那? とたん? 

一秒もたたずして 言いようのない音と共に突風に襲われる

 

声も出ない

唖然である

 

間をおいて 納得する

ああ、あの光は隣の線路を走り抜けた汽車の明かりか・・・

母に見られていなかったことに安心する

 

3年の時の吸い込まれる風もすごかった

 

汽車って・・・・接し方で危ないものだと改めて思い知る

 

密かに自分を戒める

 夜は汽車の窓から顔を出すのはやめよう

 

学校のお客様 8 ぐるぐる回る

母親がバレーを見に連れて行ってくれた

紫色のきれいなお洋服を着てくるくる回ったり

蝶々みたいにひらひらしたり

一本足で立ったり

つま先で回ったりする

 

すっかり気に入って

☆もやりたい

却下である

目が悪いとできないという

 

ならば自分でお稽古する

つま先で・・いたくてたてない

一本足で立てない

ぐるぐる回るのならできる

8畳の和室でぐるぐる回る

そりゃもう 挑戦し続ける

同じ場所でぐるぐるできるようにがんばる

上手くなってくるとスピードも上がる

当然目が回る

柱に向かって勢いよく突進する

☆はこぶをいくつも作って

まだ 諦めない

速く もっとはやく ぐるぐる

勢いが半端なくなって柱に突進して☆がきらめく

その内柱が見えるようになった

ぶつかる寸前で手を出す

止まると知ったら もっと速く もっと長く

☆は吹っ飛ぶ

伸びて ぐるぐるをやめた

 

 

 

 

 

学校のお客様 7 遠くを見よう

3年の担任は☆が学校にいても邪魔にするわけではない

同級生は1・2年の時にすっかり仲良くなっているから問題なく仲良しで優しい。

冬が来て学校の出席率が多くなるまで外の世界を楽しんだ

 

音楽のある日の授業で、先生はいう

「緑の木を見ると目が良くなる」

そう言って全員で校庭にでて 校庭脇の木の層を眺めた

木はたくさんあった方がいいらしい

家に帰って親に聞くと 目が疲れたら自然を見て疲れを取ることで病気を治すのではない、近視の人には良いけれど☆には効かないらしいと言った

 

でも先生が目が良くなると言ったのだから試すくらいはいいだろう

校庭脇の木々を見てもつまらない

けど、じっと見る

つまらない

じっと見続ける

なにせ時間はたっぷりある

木々は実につまらない

家の裏へ行って田んぼの向かいをじっと見る

ずら~っと家が並んでいる 家だと知っているから家なのである

何日も見続けるとそれぞれの家がわかってくる

まず なが~い一軒ではないことが明確にわかる

ある家の端っこには黄色いモノがある

別の家の真ん中には黒い穴見たいのがある

もっと端っこはおうちが小さい

反対側の端っこはぐちゃぐちゃしてる

真正面のおうちはいつも通り抜けている家だ よく見ると毎度すり抜ける隙間が見える、家の間が明るい

だんだん窓も見えてくる

通り抜けできそうな所を見つけては実際に言ってみる

柵があったり 縁側の真ん前だったり 気がひける状態だ

 

でも、「視て発見すること」はおもしろいし役に立つ

あっちこっちの「遠く」を観察する日々が続いた

 

神社の境内は横板が長い、とか

じゃらじゃらのリボンは何色だ、とか

じゃらじゃらには穴がある とか

八百屋の店先の赤いのは何だろうと リンゴに違いない

気にすることのなかった細かいことで「見ること遊び」をした

黒いあぜ道は田んぼの土でお天気の日はいいけど雨の日はぬるぬるだから気をつけよう

土色のあぜ道はただの土の道

草ボウボウのあぜ道は石や穴ぼこだから良く足下を見て歩こう とか

とんがった屋根は目印になる など

二学期の☆の授業時間は

=結果論で=見える、感じる世界から自ら関わる世界へ進む自主トレだった 

当たり前に無自覚である 

本人は有り余る時間を好きに使っただけである

えだまめをもぐ

小学校から大人まで枝豆もぎは☆の仕事だった

 

学校から あるいは遊んでから家に帰ると台所に どーん と枝豆の山がある

 

あればもぎとる それが仕事だ

いいわけなど存在しない

だいたい、いやだと思わない

 

笹の葉さらさら みたいな大きな枝の端っこから順に枝だけにしていく

全部取るから枝だけ残る

 

必然的に枝だけ残る

豆のかごも枝もそのまま置いておく

 

いつの間にかゆであがって食卓に上がったり

父の宴会に持って行って何にも残っていなかったりする

 

食卓になければ枝豆の処理をしたことすら記憶にない

それほど「当たり前」のことだった

 

 

 

 

仙人は畑が好きだ

ある年枝豆を育てた

枝を山ほど持ってきたので手分けをしてもぐ

仙人は目で視て豆を取る

星ははじっこからなにも考えずにもぐ

星の枝には豆はない

 

仙人は最後に枝の点検をして残ったのを取る

それが当たり前らしく 取りこぼしを探しながら取っていく

 

星はそれをしない

だって 残っているわけがない

父の教育のたまものなのだろう

 

仙人が☆の仕事後を丹念に調べる

一つでも残っていたら「あった、あった」と大喜びで見せつけるのだろうが・・・

 

そうはさせるか 父の教えは完璧なのだから

私は仕事なら競争をしない

強いて言うなら 完璧かどうかのラインはある

 

仙人は家族の誰よりも一番を望む

 

・・・しるか!!

 

以降仙人は枝豆もぎをしない

取ってきた豆付き枝は山になって無言の状態

 

 

・・・☆は黙って豆をもぐ

 

 

学校のお客様 6 汽車の力

どんどん遠くまで行くようになる

だって 同じ所は危険だし

 

家から給食までの時間に歩けるところは全部歩いた

 

そんなある日線路を見つけた

山田線の単線線路

山田線は一時間に一本くらい

音が聞こえなければ大丈夫

 

大丈夫は危険な言葉なまず

自転車の大丈夫が危険なのは姉の言葉だから・・・

自分で自分に使う大丈夫は大丈夫なのだ

 

線路に耳をつけても音がしない

駅からそう遠くないから走ってない

馬鹿なはずの☆はそういうことに頭が働く

線路は続くよ何処までも ラララ・・・

ご機嫌に歩く

 

線路の石はなんで茶色いのかな

線路の板は等間隔で飛び飛び快適だな

 

側溝があって線路が浮いている

「路傍の石」が頭に浮かぶ

おそるおそる踏み出す

下は水、落ちたくない

一点集中で数歩進んだところで

汽車の音

 

考えずに飛んだ

下ではなく 斜め前の草むらに

何とか水に落ちずに草の中に転がれた

とたんに汽車が来る

汽車の下が見えるかな、なんて思ってたらものすごい力で吸い込まれた

その辺の草をにぎり締め

身体全体土にへばりつかせて必死に耐える

浮きそうになると草をもっと強く、足を踏ん張って地面から離れないようにがんばる

汽車が走り去っても起き上がれなかった

駅が近いのを考えなかった

 

側溝の線路を渡るときは 線路に耳をくっつけて安全を確認してから渡ろう

なんて自分に言い聞かせても

次からは;不安定な;線路の上は避けた

 

克服したいと思わなかった案件である

学校のお客様 5 迷子は焦るものだ

長町からどんどん離れていった

なんせ疲れ知らずの☆ちゃん

お散歩もどんどん早足になる

道は途切れず田んぼも一面見渡す限り

 

空気はこやしのにおいがするからあまりよろしくないけど

 

・・・!!!

・・・???

どこ

 

さっぱりわからない

給食には行かないと叱られる

じっと止まって考えた

 

肥やしのにおいの所まで行けばわかる

鼻をクンクン

クンクン

焦る 焦った気持ち、覚えてる

 

無事に給食に間に合った

 

 

学校のお客様 4 のどかに散歩

長町を卒業すると行くところがないので長町から先へ行ってみた

 

田園地帯が広がって実にのどかで誰もいない(☆の近くには)

のんびりあぜ道を歩く

我が家の裏にある田んぼのあぜ道はシーソーくらいの幅しかなくて良く落ちるのだが そこはもうちょっと広くて何とか歩けた

 

気持ちよい

どこからか肥やしのにおいする

鼻には突くけれどそれほど不快ではない なんだかのどかだ

 

いい気分で散歩していたら太陽は真上にある

一直線に家に帰ってランドセルを縁の下から引っ張り出して学校へ行く

ぎりぎりセーフ

息を切らし汗だくで飛び込んでも先生はなにも言わないい

ほかの生徒もいつも通りだ