ヒビは骨折 7 最終回

怪我というものは何かしら跡を残すもの
小さな怪我はより大きな怪我をしないための訓練だ、とよく言う
10ぺんも同じような石につまずいたら
「それが何かわからなくても」気をつけるようになる
世に言う 経験 というものだ
だったら 大きな怪我をしたら
その怪我に見合うだけの収穫がほしいというものじゃないですか
・・・・・・・・
最終回

舟状骨骨折から6年後はどうなったか、観察しよう

手の形 すっかり左右対称に戻った
意識しなくてもずれません

しびれ 残った
手の真中の縦しわの親指側に鈍いところあり
日によって程度のばらつきが大きい
全くしびれの無いときもある
右手(同じ手)の中指や薬指でこすると
しびれていないことが多い このさわり方では感じない
手を完全に開いた状態で左手でさわると
手術した個所の少し上が広範囲でしびれていることもある
日常に全く支障はない。

握力は下がっただろうか
意識していればほとんど戻ったと思われる
無意識にヤカンを持とうとしたときなど
とてつもなく重く感じることもあり、骨折のせいにする
骨折の経験のない人も 同年代は感ずるらしい
9リットルの灯油タンク、べらぼうに重く、やはり、
と思ったものだ。が、残念なことに左手でもべらぼうに重い

動きは鈍ったかな
ピアノで分散和音や音階など
すばやく(???)親指を連続して動かした時
親指全体に違和感や、少々の痛みを伴うこともある
手首ヤ指の準備運動をすればほとんど防げる。
サボり度合いとの関連がいまいちはっきりしない
もともと手首は外側にそらないほうなので
取り立てて硬くなったとはいいがたい。

その他
どこまでが後遺症でどこからが加齢あるいは怠慢によるものかは
定かではないが 意識すれば正常というのは
骨折が影響したのかも知れない
重労働による腰や膝の状態と比べれば
完治と言って間違いない

マッサージは状態が悪いときは即効性があり
状態の良くなってからも続けると完璧治に
より近づくことがわかった気がする
ただ、面倒なことをしないのが 普通の人で、
普通以上に怠け者かもしれない☆は
「わかっちゃいるけど やってられない!ホイ」

以上 ひびは骨折

最後に私よりひと月後、すぐ近所の5歳くらい年上主婦が
左手小指の根元を 転んでヒビが入る怪我をした
この辺では一番といわれる松川町の開業医で診察を受けた、

なんでそこに行かなかったの、といわれても知らないし

私の不運は

結構あっちこっちに事情をはなし車の依頼をしたけど

だれもかれもが予定が入っていて車を出して貰えなかった

だれもその医院のことは言わなかった

 

彼女曰く

怪我から1時間後には見てもらえて早くてよかった、と
あたりまえに話す (ああ、車)と嘆きながら 聞く
舟状骨のように 特別くっつきにくい骨 でもないし、
そのままギブスで2ヶ月近く固定した
私と大きな違いは
最初の診断から 「ヒビ」だと言われている
今でもヒビという言葉は生きているではないか
左手の小指ということから
ギブスを外して手が開くようになったら
それ以上、困ることがないので リハビリはしなかった
と言っていた。それまでの生活に戻った。
ピアノを弾くわけでもないし、握力ももともと左は弱いし、
小指なら影響がないのかもしれない

☆はこう考える

重要な右手の怪我だったからこそ
復帰に精を出し パソコンまで使えるようになった
この、パソコンを覚えたことが 生活を変えた。、
エクセルの集計を頼まれたり、テープお越しをしたり
近所の作曲家が、楽譜が書きやすいように と
楽譜ソフトを入れてくれ、
自分の曲のピアノ伴奏を依頼してくれる
指導している合唱の編曲もするようになった
何時かMIDIのサイトも開きたい
楽譜を作ると表紙がほしい
我が家にはレーザープリンタ、なるものがあるから
フリーのイラストなどで すてきな表紙が作れる
田舎の、車なし生活で 家から一歩もでない、
人と話す機会がない 息の詰まる生活から
先のありそうな生活に変わった
もう、パソコンはピアノと同じくらい生活の必需品

もし、怪我がなければ、パソコンはただのゲーム機で
未だにW3.1かも知れない (今はW2000だけど)

これから まだまだ やることがある、やれることはある

 

追加

72才になった 舟状骨骨折から20年

今度は 痛恨のミス

お客さんが到着する、と言われて不用意に一歩踏み出してしまった

終活中で処理待ちのアルバムの上に紙があって

バナナの皮を踏んだ状態でひっくり返り

思わず突いた右手は 見事 手首の複雑骨折

大変「お医者さんらいいお医者さん」に縁があり

即座に手術を選択した

手が戻ったら手記を書こう

仙人=主人は二日目でもまだ骨折に気がつかない

何度も顔を合わせているのに

明日、まだ気がつかないようなら

10日間入院することを言わないと不味いよね

ちなみにギブスは肘まで 目立つと思う

三日目まだ気がつかない

いつ言おうか・・・

目が大変よろしい仙人様は近くが見えないのだろう

あるいは ☆の存在は空気かも

ヒビは骨折 6 息子と

おしゃべりな☆は ヒミツの必要性 がない限り ←ポイント
口にチャックはかからない。
自分のことなら無規制だからお茶のお供になる
・・・・・・・・・・・・
息子と

事故当初は余計な心配するだろうと黙っていたが
そのまま息子には伝わっていなかった。

病院とさよならしてかなりたってからの電話での会話。

☆;やあ、私、怪我したの知ってるっけ?
◇;聴いてない
☆;裁断機でさ
◇;指が無くなった
☆;指が無くなってたら、こんな話し方しないって
◇;そりゃそうだ で?
☆;丁度一人のときに、
小冊子100ページ350冊頼まれてさ、
ページ付け、印刷、帳合、確認、糊付け、カット、
と全工程5日間でやったわけですよ。
なんしろ、わたしゃコピー専門で印刷機は初めてだしさ、
糊付けは売り物のはやったこと無いし、
バサッと切るほうの裁断機は触ったことも無いし、
でも緊急の仕事で海外に持っていくから、
製本少々下手でいいからって・・・。
っていう訳で、やることになったわけですよ。
◇;無茶でしょう
☆;デモネ、零細以下としては、逃せない収入なわけでして、
◇;そりゃそうだ
☆;そんでもって、5日間っていったって、
用紙の注文からだから、1日目はページ付けとか、
準備だけしてとにかく寝ダメですよ。
二日目に用紙が届いたから、始めたんだけど、
なにしろ全工程は初めてだから
相当のしっぱいを見込んで550づつ印刷してさ、
両面だからけっこうそこでロスが出るんだけどね。
◇;あの印刷機だと膨大な量になるな
☆;帳合が大変でさ,130枚の山が部屋中埋め尽くして
それを1枚ずつ集めていくじゃない。
最初、半冊分ずつやろうかと思ったけど場所に無理があって、
結果1冊分ずつやることになってさ
毎度思うんだけど、この作業が、一番大変なんだよね,
折ってないから上下がひっくり返っていても
コチトラ見えないじゃない、一束まとめてひっくり返るから
ここでトチルとあとで帳合のときうんざりの上塗りだから、
ここは我慢に慎重なんですよ。二晩一睡もせずに頑張って、
帳合は目が開いてないとできないから寝て、
起きたら倒れるまでですよ。
◇;アレは単純でただでさえ眠い仕事だ
☆;気分転換に、確認作業終わったのから製本してさ、
遊びで糊付け覚えといて助かったよ。
売り物は初めてだけど、思ったほど下手じゃなかった。
というか、どんどん上手くなった
何とか間に合わせて糊付けが終わったんだけど、
乾いたものから切らなくちゃならないじゃない。
それがね、厚さが結構あるし、力もいるから、
一回に2冊しか切れないの。
2冊でも結構体重かけないとずれてしまうのね。
それで、玄関に裁断機を移して
上から一気に体重をかけられるようにしたんですよ。
時間との競争でさ、最終的には11時半にわたしたんだけど
◇;またずいぶん遅いね
☆;何時にできるかっていうから10時までには何とか、で
11時に取りに来ることになった
◇;なるほど、10時では終わらないだろうという
☆;まあね。わかってるよね。
そんで、延々とガッチャンコとやってたわけですよ。
それでもだんだん間に合わなくなって、
何とかスピードアップしなきゃ、と急いだら、
つるっと手が滑って、切るはずの本が外れちゃってサ、
無くなったもんだから力が余って、
勢いもあまって身体が前につんのめって、
床に手をついちゃったのね。前に裁断機が無ければ、
体重が一点にかかることは無かったんだけど、
不運というか、あせった結果というか、
ボキッ、ゴキゴキ
っていう音がしてさ、
・・これはまずい・・と思ったけど、
見る間にはれてくる手でそのまま続けたんですよ。
最後は取りに来たお客さんに手伝ってもらって、やっとわたせた。
◇;むちゃくちゃな話しだな。
☆;そんでね、手のほうはひびが入っててさ、
それがまた・・・ひびは骨折の物語り・・・でさ。
左手は使えるようになったし、
ワードは使えるようになったし。
それなりの収穫はあったよ。

◇;パソコンはかな入力かい?
☆;ウン。そうだけど。
◇;ローマ字のほうが動きが少ないから打ちやすいと思うよ。
☆;あぁ,探すの楽かな
◇;見て打ってるんかい?
☆;当然でしょう。
◇;お母さんがブラインドタッチしなくて誰がやるんですか。
☆;ははは・・言えてる
・・・やぁ、目ってサ、便利なものなんですよ。
覚えなくてもキーが打てちゃったりして・・
時々さ 正直いつもだけどね、
キーボードに顔くっつけて打つわけだから、
ぜーんぶアルファベットになってるのに、
ゼンゼン気づかないでさ,
延々と書き直す羽目になるんですよ。実は。
◇;だろうな。
ブラインドタッチ覚えるとですね。
ディスプレイを見るようになるから速くなるし、
ミスは減るし、
姿勢もキーに顔くっつけるよりはよくなるし、
覚えなきゃダメですよ。
今度帰ったときにソフト入れるからちゃんと練習しなさい。
☆;はい・・

◇;ところでさ,手に入ってる金属、
磁石はくっつくかい?
☆;ふふふ 親子だねぇ。
喉まででかかったけど、
そういう聴き方は
さすがに顰蹙をかうかと思ってできなかったよ。
磁石(という言葉)を飲み込んでるうちに、
素材を聞くのも忘れちゃってさぁ。
◇;ドジな
☆;全くだ。結局わかんないんだよ。
磁石にくっついてでてきちゃっても困るしね・・
◇;いくらなんでもそれは無いでしょう
☆;針を落としたら磁石をもってこなくても探せるとか
◇;針刺しじゃあるまいし
想像末うだけで痛くなる
☆;ま、そういうことでさ
レントゲンもらってあるから、今度来た時に見せてあげるよ。

夏休みには練習ソフトが入り、今はローマ字入力になった
画面見てるか?
いえいえ、今なおキーにくっついてます
見なくて打てるけど どういうわけか キーを見たい

手の中の金属、一体何でできているのでしょう。
磁石にならないことは確かですが、
いまだに判りません。
ご存知の方教えてください
検索は楽しいのですが
なぜかこれは調べる気にならないのですよ。

舟状骨骨折 2 理不尽という者

 副題

車がないと病院にもいけないことをいく度もの経験から学んだ。
それでも頑張って行ったのに
・・・・・・・・・
ボキツ まずい

 

本文

2005年4月ある日曜日、夜8時ころ
家内業手作り製本の依頼が入った
A4版36枚500部表紙なし 5日間で
印刷機がA3に対応していないのでA4は折らずに糊付けする
一行程少ない と 喜べない
二日後には仙人は東京に行って一週間帰ってこない
この一週間空けるのが・普段なら・天国なのだ

引き受けることになったら
翌日用紙を注文しても届くのはあさって
全工程私がやらなくてはならない
印刷機はいじったことがないけれども
コピーとそれほど違いはないだろうから
やってみればわかるだろう
糊付けはジマエ楽譜を作る時の数回しかやったことがない
カットは小型裁断機はカッターより便利だから
常時使っているが、36ページでは無理だ
大型はさわったこともない

お客さんはいつもの方で 下手でも何でもいいから
本になっていればいいですから、とおっしゃる
海外にもっていくので5日後には必要なのだそうだ

 

総収入200万行けばいい方の生活費すらママならない事情から 受ける 以外に選択肢はない

仙人は受ける気満々

だって自分はなにもしないにのに結構な収入になる

滞在先で優雅に過ごすのだろう
私には断る勇気も権利もない 

断ったら私にはその分の金銭的穴埋めもできない
どうにでもなれ! 、の勢いだ

それでも絶対にむり、350冊に減らしてもらった

火曜日は用紙が届き印刷を始める
ほかにやることは
体力をつけ 休息しておくこと 広い場所を確保することだ
水曜日 裏面印刷 夜から仕分けに入る
木曜日 仕分け作業をしながら帳合 夜中から糊付け開始

長男は県外の大学生でいない

高校生の娘が二人いるが一人は盲学校で普段はいない

炊事などは手伝ってくれるが本作りは仙人が☆の仕事として子供らにあまりさせないしおしえないから手伝って、と言いにくい

それでも見かねててつだってくれた

5日間ほとんど徹夜 

寝ても一日1時間とか2時間

娘のお弁当は売店任せ


金曜日 盲学校の娘が帰ってきた


夕方 糊付けが終わる
夜 お客様から10時半にとりに来る、と電話が入った
マダマダ カットが残っている
大型カッターと言っても昔の「ガッチャンコ」とは違う
真上から切るので 一度に2冊しか入らなかった

出荷時間に間に合わせるためにあせった。
睡眠不足との戦いでもあった。

もう 一人で全部なんて無理だ

娘らにも使い方を教えて交代でカットした

 


そんな時、事故は起こった。

つい雑になってしまったカットの微調整

見ぬ振りをすれば良かったのに

札数に余裕がなくて修正為ざるを得なかった


裁断機の扱いミスで前に滑って手をついてしまい

ゴキッ、

それでも続ける
取りにきたお客様が残りをカットしてくれて
いちおう終わった

あまりに腫れ方がひどいので翌朝8時45分
家をでて歩いて25分の村の診療所に行った
土曜日は休みだなんて忘れていた
家の中から先生が出てきてくれて
骨折かもしれないからと日赤病院を紹介された、けど
交通機関はない。
病院までは歩いて2時間近くかかる。
しかも初めて歩く道。
とても自信がない・訳ではない 歩きたくない

やっとついたら日赤病院,財政難やら,人材不足やらで
その4月から土曜日の整形外科がなくなったという。

そこから紹介された駒ヶ根の昭和伊南病院まで電車で40分かかる。
しかも5分後に通過する電車に乗らないと
つぎは2時間後しかない。
病院から駅まで走って7分。
オマケにこの病院自体初めてで駅までの道を知らない。
それでもがんばった。教えられた道を走ると7分らしい
間に合わない。こうなったらカンに頼る。
人は車の道を教える 車がないこと自体が不自然だからだ
この山国だ、昔からの近道があるはず
そういうのは車の出口じゃないほうにある
家の間にある
もう、手 どころじゃない
目指すは駅
下へ、下へ、 どんどん下る
息もつけないほど,汗だくになって
12時少し前の電車に飛び乗った。

目的の駅で電車を降り,
さあ、病院はどこだろう
おおよその位置は知っているが道がわからない。
ぐずぐずできないと思い駅の隣りにある交番で聞いた。
迷わずいくと15分から20分でいけるのだそうだ。

ところが迷ってしまった。
さっきのカンは何処へ行った、
ココはさっきに比べれば平らだからまっすぐな近道がない
そうは言っても 平らではないから 縦横に道がない
うねうねして いつのまにか戻ってしまう

足元ばかり見る方向音痴の私は ここは苦手だ
1時間くらい歩いてようやく2時過ぎに
救急医療の受付に到着。

ほっと一息
受付に「骨折してるかもしれないと言われて・・・」、
朝から歩き通しのことを話す。
ちょっとは同情してくれると思ったのが間違いだった。
「それではこれに必要事項を書いてください」
と小さな紙と鉛筆をわされた。
伝票は印刷が薄く複写になっていてよく見えないので
普段でも書きたくない。
それを,右手が使えないのに書けと言う。
紙が小さく腕で紙を抑えると目と紙の距離が遠くなり
全く読み書きできない。
苦労に苦労して15分もかけて
やっとミミズのような字で書き上げた。

その間受付はちらちらとこちらを見るのだが,
手伝ってはくれない。
楽しんでいるのだろうか。
なにしろ朝9時前に家を出てから何も、水すら口にせず
走って歩いてである。手も痛い、心もすさんで当然だ。

それからさらに10分して診察室に呼ばれた。
外科の先生で,レントゲンを取ったり何やかやで
1時間くらいかかって、折れてないと告げられた。

ただし,整形外科にもう一度見てもらいなさい、
月曜日の予約を取っておきます,と、時間を指定し,
「直接整形外科に行くように」指示された。
もう時間は4時を回っている。
朝は急いで出てきたから朝食をほとんど食べていない。
その上水も飲まずにこの時間,
病院を出る前に貧血を起こしぶっ倒れてしまった。
先ほどの救急医療のベッドに寝かされて1時間くらい。
何とか持ち直して駅まで20分歩き,電車が30分、
駅から1時間20分歩いて家にたどり着いた。
もう8時だった。

歩いて1時間半は車だと7分分しかかからない。
最初に行った日赤病院は 車だと家から15分
次に行った病院はちょうど反対側で 家から車で25分
都会と違い,車は足。乗れない人はつらい。

タクシー代を払えないのもつらい

みじめさを痛感した一日でもあった。

家に着いて、やっと食事にありつき
痛み止めを飲んで 後 知るか

次回 ひび? 骨折→整形外科編

 

舟状骨骨折 1 視覚障害者を差別しない仙人と☆の仕事

今の
明日からはじまる 舟状骨骨折 につながるので 
製本の行程+α 書きました
・・・・・・・・・・・・・
    製本の流れ
 
*;2000冊注文入ったから日までに終わらせると今月助かる
;・・・・
*;B41万5千枚頼んでおいて 明日から作業始める
;はい・・(何日徹夜かな)
 
生きるため、とは言え 
視覚障害には無縁であってほしい仕事ばかりしている
家内業 手作り製本 もそのひとつだ
そのひとつにすぎないのだ
.1ミリの誤差をとやかく言われながら
出荷時間に間に合わせるために徹夜の作業が続く
 
印刷業者に出すには不向きで
単価的に割の合わないものが 我が家の仕事となる
編集からやるものもあるし 印刷・製本だけのものもある
10冊から2000冊くらいまで 何でもござれ
 
作業は分担で 
編集=* 
印刷=* ほかのことをしながらできる 昼間のみ
折り= 印刷ができたものから 印刷が始まった夜から
  表紙=一枚ずつ折る 
     サイズの特殊な表紙のみ*が折る
仕分け=折る作業が終わったら 夜昼なし
帳合= 仕分けたもののページ確認 夜昼なし
糊付け=* 元気なときで 気分転換をしたい時間に 
カット=* 疲れていないとき
発送=*
 
折っても 折っても 
追われるばかり
夜も 昼も
あっちも こっちも 紙の山
 
;ああ、凝った
片眼だから首を曲げたまま何時間も集中するので
右肩甲骨のところが局所的に凝る
あまり続くと懲りすぎて 胃も働かなくなる 
そろっているかどうか調べるための指の腹が
だんだん紙で切れていくので 指を変えながら使う
量が多いとどの指もささくれのような筋がつく
 
そんなこと*は気がついてもいない 
目以外で揃っているかどうか確認できること自体 
思いつかないだろう
 
*は印刷屋でアルバイトをしていたとかで この仕事を始めた、
人の特性など 自分の頭の中でしか考えないから
いつも都合のいいように家族を理解する
目を使う作業では見えるのが当然
腰を使う作業では 健康でないわけがない
 
その都度都合が良い単品思考など 
の単品思考といっしょにされては困る 
 
*;ここ1.3ミリで
  ココは斜めに曲がると後やりにくい
作業が遅い、と となりで折り始める  
1.3
ミリといったくせに まるでいいかげんだ
;これなんか2ミリどころじゃない、3ミリ以上あるでしょう
*;まっすぐだったら適当でいい
;適当でいいなら3倍も速くできるよ
*;そうか やぁ 曲がってなきゃいいんだから
と言って 何百枚も1.3ミリに奮闘したきれいな作品の上に
3ミリも4ミリもずれているものを重ねる
;1.3ミリ以外のものココにつまないでよ
*;そういうなよ ドサッ
 
製本は健康を思う限度というものがない
あるのは納期 身体などどうでもいい
 
365日 この繰り返しだから 
取り立てて言うことではない
いちいち怒っていては 自分が惨めだ
 
やりたければ一人でやればいい
と 心の中でつぶやくようになる
 
こういった作業は 
基本的に嫌いでないところが 困るところだ 
は細かいことが好きだ
1点集中型で 目もくれないで細かいことに立ち向かう
単純作業であれば工夫次第でものすごく効率が良くなる
その工夫を編み出すことが好きだ
父が見せてくれた紙の魔法 あれから
「効率よく作業する」工夫をすること が楽しくなった
 
この性格が仙人の思う壺なのだ
やらせれば そこそこまでレベルが上がる
遅かったらいやみを言えば早くなる
2・3日寝なくても仕上げてくる
経済がついていかないから 
ぜったい放り出さない 逃げ出さない
 
.×12.4の厚紙の板を作ってくれ、などと平気で言う
この道具を使って、こうやって ああやって
自分がやれば5分でできることをわざわざやらせる
 
私が わたしの方法でやれば 多少遅くてもできる
それを、やり方、線の引き方、すべての行程に指示が入る
おかげで 一日かかってしまう
私は1ミリ方眼が見えない
それを方眼紙を使えばできるという。
私が使う方眼紙は 一番細かくて、2ミリ偶数が必須のときだ
通常は3ミリか5ミリ
をれを1ミリを使えばいい,という
そんなことができたらとっくにやってるだろう
あれは色紙と変わりない
 
結局一日かけてつくった
同じ時間を生きているのに 
なぜ人の時間を無駄遣いするのだろう
聞いてみると
「お前が より やりやすいように俺が考えた
 こうすれば、もっと速くできるんじゃないかと
 いろいろ考えたのに。もういい、頼まないから」
工夫というのは 頭の中だけの思い込みでできるものじゃない 

本当に頼まない、なら幸いだが、その言葉は一瞬で忘れる

のでは無く、 
同じことはもう頼まない だけだ
同じこととは 同類のことではない 一字一句違わずに正確に同じことだ


だからまた繰り返す
 
25年以上生活を共にしても 未だに変わらない
「俺は身体障害者」を差別しない
 
そう。差別しない
すべてのことに区別すらしない
障害者は存在しないのだ
 
*の祖母は全盲だった 
親戚にほとんど見えない子がいた
 
信じられない
 
今に見ていろだって