幼稚園 2 お便所はどこ?

父は私を一人にするときは 実際に歩いて行動範囲を規制した。
幼いころは一人で門を出ようとすら思わなかったし、
すべての用が父から定められらた範囲内でたりた。

父が教えてくれない所は知らないのだ

父は、まさか教師が何も教えずターゲットにしたことなど知らない?

ちがう、父は予想していたはずだ

エクラってなあに、の質問を無視したのと同じで

めくらの存在がが屈辱名だけだ

知っても 起こるることは自分には関係無い

知ったとしても 幼稚園がどうにかするべきで我関せず

幼稚園に文句を言うなどかっこ悪い

のである


完璧ないじめには ターゲット が必要だ
憎むに値する弱いもの
自分の立場が優位に利用できて
正当性を主張できる

めくらを嫌う教師は格好の「ターゲット」を手に入れたのである
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幼稚園に通い始めた初日から大変な事態になった
初日(入園式の翌日)だから園内をグルッと案内される
一般人と行動をともにするのは大変だ
ただただ人の後を追うだけで精一杯だった
足元以外何も見ていない、聞く余裕もない

玄関とすぐとなりの自分の組の部屋しかわからない

トイレに行きたくなった
どこかわからない
人に聞くことには抵抗がないから先生に聞く

人に物を尋ねるときははきはきと
両親から教わったとおりに
明るく 元気よく

「お便所はどこですか」
「さっき行ったでしょう。あっち」
「・・・あっち?」

もう先生はいない
言われたほうに行ってみる
どこも 来るな 近寄るな といっているようだ
足が進まない

戻ってもう一度聞く

「お便所・・
「さっき教えたでしょう あっちにあります」

ない
ない
ない

もう一度聞く
「あっちです 行ってみたの」

もう限界だった

おもらしをしたと 早帰りさせられた
それが3日続いた。

かんかんに怒った先生は5日目の朝
登園と同時に私をつかんでトイレへ連れて行く
「ここがお便所です。一番最初に教えたでしょう」
みんなちゃんと覚えたのにどうして覚えないの
3歳の子だっておもらしなんかしないです」

「だって お便所がどこにあるかわからないから」
「めくらはバカなんだから」

入園5日目にしてやっとトイレの場所がわかった
ついでに めくらに加えバカ という称号もついた

幼稚園 1 めくらってなあに

いじめというものは人間(だけでないかもしれない)
誰しもそれなりにする行いであって
節度を心得れば、仕方のないことであると思う。
問題はその節度であって、
教師・医師など、先生といわれる人たちは特に、
優位な立場を利用して「いじめ行為」を楽しむべきではない

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姉が先に小学校に行ってしまったので
父がわたしの監視役になった
病気療養中の父だから 負担だったのだろう
幼稚園に入ることになった

教会付属の幼稚園で、学区の小学校の向かい側にある
始まりが遅いので姉とは一緒に通えない

入園式は父に手をひかれて門を入った
きょろきょろと周りを見ると
左手に白い背の高い建物がある
てっぺんに十字架があるなんて知ったのは
大人になってからだろうか
教会の建物のてっぺんには必ず十字架があると知るまでは
「見る」という行いすらしないものだ

その入り口のほうには行かず 薄暗いところに向かった

「めくらが来た・・・」
いっせいに道が開く
遠巻きに子供等がはやしながら見ている中、玄関に向かった

「めくらってなに?」
父は答えない
「みんなめくらって言ってるよ」
父は何も言わない
その後もこの質問には口がなくなる

入園式が無事済んで翌日から通うことになった
延々と続く先生による生徒いじめの幕開けだ

たくましくもなるさ
とはいえ 傷も深い
性格だって ・・・

なぜ 先生たるもの、可能性を見出そうとしないのか
共に喜びあえる道を なぜ避ける
自分の目の前から消えてほしいといじめぬくより
明るい明日を探したほうが よほど気持ちいいだろう
人はなぜ そのことに気がつかないの

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メクラ で変換しても 盲 の字が出てこない
多少不便だ
私は 盲=めくら という単語に違和感がない
視覚障害者 など 字数も多い
点字にしたら11マス使うし
漢字では四字多い
画数にしたら? 数えるのが面倒だ

言葉を変えたくらいでいじめがなくなるわけがない
いじめは表を繕えば繕うほど手が込んでくる気がする
考えられないようないじめ方をされる
言葉などでごまかせるほど 単純な物事ではない

 

サコちゃん

本来ならば記憶が残らないであろう幼い頃

我が家に住み込みのお手伝いさんがいたことがある

サコちゃんと言うのだから さち子さんとかさよ子さんとかだろう

 

その「サコちゃん

時々 通りがかりに私をつねった

夜中に いきなりつねられたことも数回ある

寝込みを襲われいきなり泣き出し 訴えても

本人は「していません」というと大人はそっちを信用する

「子供」ではない ☆という「イキモノ」を信用してもらえない

 

つねられるのは☆だけで

夢だろう、とか 被害妄想だとか言われた

 

「姉はもう、大きいからやられないのだ」と思っていたが

きっと そうではなかったのだろう

 

 

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いじめには ターゲット が必要だ

憎むに値する存在で弱いもの

自分の立場が優位に利用できて

正当性を主張して当たり前に通る存在

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☆は 誰もが正当性を主張できる

いじめのに値するターゲットだったに ちがいない

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ニワトリを狩る猫

☆はネコを見たことがない
鳴き声だけがネコの姿だ
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◇ ネコ

我が家の鶏が特別美味しい というわけでもないだろうに

ネコは時々明け方やってきては、鶏を狙った。
どんなに小屋をしっかり作っても取っていく。

家には犬(スピッツ)がいた。
しかし犬はつながれているので、ネコを追い払えない。
番犬とはいえ,ほえるだけだった。
第一、犬が気がつくのが咥えて逃げるときなのだから、
それから飛び出しても間に合うわけがない。

ネコは扉から入るとは限らない
むしろ扉以外のところを探すようだ
人は猫の入り口を必死で探す

何時かも 探した
今日も 探す
この次も 探すだろう

ネコは天才だ 力持ちだし 根性もある
大きな荷物(ニワトリ)を咥えて追いかけられても離さない
と 大人たちは話す

ネコは悪者だ と教えられるまま信じた

 

ニワトリ

 私の子供時代は家に鶏がいた。

県庁所在地のど真ん中なのに、たくさん飼っていた。
父が結核で栄養豊富なタマゴを毎日食べるためである。
 


鶏は苦手だ
せっかくミミズを取って食べさせようとすると
われ先にと集団で飛びついてくる
たまらず投げ出すと 大群でミミズのほうに行ってしまう
こわい上に薄情だ いいのは姿だけじゃないか
 

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     オトリ

私はタマゴを取り行くたびに、ニワトリに襲われた。
小屋に入るときにはサっと入らなければいけない
5才くらいからやらされていた と記憶している、
 
入り方が下手だ、と何度も叱られた。
気をつけて入ったら、タマゴを探す。
どのメスも私を見ると威嚇する。
顔を向けるだけで羽を広げて、こっちへくるなという。
それでも手ぶらで帰ると叱られるから がんばる。
何とか(こわごわ)ニワトリに近づくと 今度は攻撃されて
小屋の隅に追い詰められてしまう。
必死にこらえるがたいてい身動きできない
 
そのころを見計らって 今日もか・・・と
誰か(たいてい姉)がタマゴを取りに来るのだった。
 
そう。助けにきてくれるわけではないのだ。
 
「もたもたしてるからニワトリにまで馬鹿にされる」
ニワトリが私を取り巻いているすきに
無防備なたまごをさっさと持っていく。
 
 今日も手ぶらのタマゴ鳥(取り)
 
鶏は昼間行くと「どうぞどうぞ」と立ち上がって巣を見せてくれる
今置いてきた餌のほうが気になるようだ

の辞書
 「おとり」 鶏小屋の