カイコを育てる

小学4年の時、カイコを育てた。
家に桑があることが条件で☆はさっそくもらってきた

担任は☆さんには難しいから、とか言っていたが聞く耳はない

うちにはクワがあるから、と心は躍りイヤミなどみじんも感じない


白くて細長い虫は箱の中にウヨウヨいる
「カイコと知っていれば」 可愛いものだ

毎日毎日桑を取ってきてはせっせと箱を掃除し、
美味しい葉っぱをご馳走する

☆;早く大きくなあれ

よく食べる
大きくなってくると葉っぱは瞬く間になくなる

だんだん家の桑では足りないような気がして
よそさんの家からもしっけいした

ある日 カイコは動かなくなり父に見てもらった
父;さなぎになるからもう桑はやらなくていい
家の桑を大事にしてこっそりよその家まで出かけたのに
もういらないなんて と がっかり

カイコは白い小さなタマゴみたいなボールになった
つやがあって美しい

我が家に間借りしているの優しいオバサンたち;まゆになったの? 煮なくちゃ
☆;え? 煮る? 耳を疑う衝撃だ !!!
せっかく育てたのに 煮るなんてとんでもない
オバサンはなべにお湯を沸かし始める
父;まゆを煮て絹糸を取るために育てるのだから
少し残してあとはオバサンにたのみなさい
いつも親切なオバサンは ウキウキ残酷だ 鬼だ

数個のこしてなべの中で泳ぐ
煮たまゆなどかわいそうでとても見る気にならない
したがって糸を取るところをみそこなった

残った「運のいい」まゆはちゃんと蛾になった
が、ガ、蛾 蛾ーーーン
蛾は茶色 粉もつゆも汚い
おまけに飛ばない
せっかく逃がすと言うのに 歩くばかり
箱の中が茶色に染まり
美しいまゆは穴があいて、これも茶色に染まっている
さわるのもキモチ悪い
ガマンしてまゆを取り のぞいてみる
穴の中は空っぽだ やっぱり茶色い

頑張って洗うことにした
穴が開いててももいいから きれいになあれ
まゆはきれいにならない
もう箱ごといらない
いつまでもほったらかしにしていたら
父に、自分で片付けろとしかられ 中身を捨てた
たぶん箱も捨てた

☆;全部煮てもらえば良かった

 

後悔は後でするものだ

結果がわからないうちに最善なんてわかるわけないだろうが!

 

スズメの観察日記

周りが見えないという特技は生かすべきである 
これを育てるべきである、 

とおもうのです
・・・・・・・・・・・
 

   スズメ
 
スズメ スズメ お宿はどこだ・・
昔は良くうたった。
 
部屋の間取りから
小学校中学年以前に間違いない。
 
いつの時代もスズメはにぎやかだ
誰が教えてくれたか・・姉か父だろう
パンを置いておくと取って行く
 
例によって 見たい!

いつもこのパターンで幾日も粘る
 
自分の食料を分けてあげるのだから
最初は小さく小さくちぎって窓枠に置いた。
見えるように餌のすぐ前に座り込む
 
来ない
待ーてど暮らせど 来ぬスズメ
 
だんだんパンの大きさが見えるほどになっていく
同時に観察位置もかえた。
 
窓のすぐ下にへばりついた

 

スースー グーグー いい天気である

 

パッと目がさめたら パンはない

くやしい
今度こそ

自分としては これ以上大きいのは上げられない
と かなり大き目のパン切れを置き
寝ないように 見えるように すぐそばで粘った。

一向に来ないスズメを待つことかぎりなく・・

あとちょっとでやめよう
せっかくだからもうちょっと
ここまで頑張ったんだから・・・
と 粘りに粘って 朝ご飯のパンが
てっぺんからの日を浴びるまで待ってしまった。

根負けしたスズメがとうとう来た。

手のひら二つくらいの距離なのに
さっときて パンを咥えて 飛び去った。

やったー!!!
見た見た見た・・・!!!

それから飽きるまで続いた。
スズメは待たなくてもじき来るようになり
決して止まることなく 飛び去っていく。

もっと大きいパンだとどうなる?

スズメの分を自分がかじって
自分の分を窓枠に置いた。

スズメはいつものようにやってきて
さっとパンを咥えて飛んだ
いや ちがう
パンが大きいのか重いのか?

飛枠に足をついて パンを下に落として
飛んでってしまった。
パンはカラカラになっても窓の下に落ちていた。

その後
待てど暮らせど 来ぬスズメ

何日かたってパンをやるのもやめて観察終了。

☆は十分満足して飽きた の で ある
・・・・・・・・

 

犬は遊びでニワトリを襲う

猫は食べるためにニワトリを取る。
犬は遊ぶためにニワトリを殺す。
・・・・・・・・・・・・・・・・・

    ◇ 秋田犬

近くの家で秋田犬を飼っていた。
この犬は大の苦手である
何がって、放し飼いなのだ

 

運動のために庭の柵内で鶏を放した。
姉と一緒にニワトリ番をする
白いの黒いの茶色いの。みんな頭の上の赤が印象的だ。
姉はお気に入りのニワトリを指差してどこがステキか話した。
☆は色が決めて
茶色はあんまり可愛く見えないし、
白いのはどれも同じに見える
姉はちょっと小ぶりの茶色がいいらしい

 

ある日近所の放し飼いの秋田犬が襲ってきた。
犬は動くものすべてを襲うというは 本当だ。

追いかけては殺し、
殺しては追いかける。

目の前で繰り広げられた惨劇は、
はっきり見えていない☆の目にも
犬の恐ろしさを焼き付けた。
私、☆はただ呆然と立ち尽くす
動けない
羽で真っ白に染まる庭、真っ赤な血、
そこら中にころがるニワトリの死骸。
最初の悲鳴で大人たちが家の中から飛び出してきたころには
すでに十数羽が殺されていた。

あっという間 5分もたたないあいだの出来事だ。
それ以来 秋田犬が大嫌いになった。

いや、犬が好きになれなくなった。
少し違う
☆の犬好きは自分の家の飼い犬に限定された


冷蔵庫のない時代、殺された鶏は食べた
・・・に 違いない
産まれる前のたまごを大量の「茶色の山」から掘り出して
「ほかのものも食べなさい)と叱られた。

それからしばらくして我が家から鶏は消えた。

 

ニワトリは食料である

ニワトリとは食料である
増やすために生を受けた「かわいいヒヨコ」は
子供等の手で可愛がられ 守られ 暖められて
ニワトリの姿に近づくころ食料の集団に戻っていく
ヒヨコとニワトリは完璧に別物だった

☆は集団の中の一羽を見分けることができない
すべてのニワトリは餌に集い 泥棒を嫌う
・・・・・・・・・・

   ◇ 風呂敷

ニワトリは昼間庭に放され草をついばむ
毎朝のタマゴ泥棒と夜に現れるネコ以外の敵はない
と、おもうのは あさはか というものだ

たまに鶏を風呂敷に包み肉屋さんに持っていった。
きっちり縛られた風呂敷の中で
声も立てずもそもそしている暖かいニワトリ
私が持つと逃げ出すからと 母が持っていく。
肉屋さんは風呂敷のまま受け取って ○時に来て下さい、という。
その時間には私一人で行くこともある。
風呂敷の中身は、もう逃げる心配がない

この流れに疑問をもったりかわいそうだと思ったことがない。
鶏は食料だから
それどころか その晩は 生まれる前の
殻のない、黄身だけのタマゴがたくさん食べられる
内臓は大の苦手だけど 茶色の山の中にひときわ目立つ
「美しい君(黄身)は たまらなく魅力的だよ。」

以前可愛がったヒヨコかもしれない なんて
コレッポッチ? どれっぽっち つまり全く
考えもしない

 

ニワトリを狩る猫

☆はネコを見たことがない
鳴き声だけがネコの姿だ
・・・・・・・・・・・
◇ ネコ

我が家の鶏が特別美味しい というわけでもないだろうに

ネコは時々明け方やってきては、鶏を狙った。
どんなに小屋をしっかり作っても取っていく。

家には犬(スピッツ)がいた。
しかし犬はつながれているので、ネコを追い払えない。
番犬とはいえ,ほえるだけだった。
第一、犬が気がつくのが咥えて逃げるときなのだから、
それから飛び出しても間に合うわけがない。

ネコは扉から入るとは限らない
むしろ扉以外のところを探すようだ
人は猫の入り口を必死で探す

何時かも 探した
今日も 探す
この次も 探すだろう

ネコは天才だ 力持ちだし 根性もある
大きな荷物(ニワトリ)を咥えて追いかけられても離さない
と 大人たちは話す

ネコは悪者だ と教えられるまま信じた

 

ニワトリ

 私の子供時代は家に鶏がいた。

県庁所在地のど真ん中なのに、たくさん飼っていた。
父が結核で栄養豊富なタマゴを毎日食べるためである。
 


鶏は苦手だ
せっかくミミズを取って食べさせようとすると
われ先にと集団で飛びついてくる
たまらず投げ出すと 大群でミミズのほうに行ってしまう
こわい上に薄情だ いいのは姿だけじゃないか
 

・・・・・・・・・・・・・

     オトリ

私はタマゴを取り行くたびに、ニワトリに襲われた。
小屋に入るときにはサっと入らなければいけない
5才くらいからやらされていた と記憶している、
 
入り方が下手だ、と何度も叱られた。
気をつけて入ったら、タマゴを探す。
どのメスも私を見ると威嚇する。
顔を向けるだけで羽を広げて、こっちへくるなという。
それでも手ぶらで帰ると叱られるから がんばる。
何とか(こわごわ)ニワトリに近づくと 今度は攻撃されて
小屋の隅に追い詰められてしまう。
必死にこらえるがたいてい身動きできない
 
そのころを見計らって 今日もか・・・と
誰か(たいてい姉)がタマゴを取りに来るのだった。
 
そう。助けにきてくれるわけではないのだ。
 
「もたもたしてるからニワトリにまで馬鹿にされる」
ニワトリが私を取り巻いているすきに
無防備なたまごをさっさと持っていく。
 
 今日も手ぶらのタマゴ鳥(取り)
 
鶏は昼間行くと「どうぞどうぞ」と立ち上がって巣を見せてくれる
今置いてきた餌のほうが気になるようだ

の辞書
 「おとり」 鶏小屋の