第6話 病院は☆の町
虻につかまって朝の診察が終わると
午後はフリーで思いっきり自由時間
スリッパを履いていけるところは全部自分の町
手術室という牢屋もある
病院探検にサイコウ日よりとなった
五階の外科病棟は一日で居場所&隠れ家になった
ほかにもいいところがあるだろう
二階の記憶が無いのは入院病室ではなかった、とか
ウロウロ人がたくさん居る、とかで
エレベーターホールから先が:お呼びでなかった:に違いない
三階が小児病等 子どもがいるなら友達になろう
聞く話では小児麻痺の子が入院しているらしい
小児麻痺とはどんな病気、怖いとだけ聞いている
ドアが2重になっていて厳重だった
そっと開けて入ってみる
シーン
誰もいない
冷たい空気が流れていて物音一つしない
病棟が死んでるようだ
子どもの病室とは思えない音のない世界
よく磨かれた薄緑色の床が西日を反射して
まるで氷でできているように光っている
寒気がした
怖くなってそっとドアを閉める
小児麻痺って こわい
逃げるように四階に上がる
ここも静かだった
小児病棟のような異様な空気ではないが
ーーーつまらない
ここは内科だった気がするが覚えていない
やはり五階がいい。
おじさんたちとお菓子を食べて
夕飯前に階段を走っておなかを減らし
食器の音を聞きつけたら表から部屋に戻る
翌日は診察有りか無しか 先生が来たか来なかったのか
☆の知ったことではない
朝からベッドは不在で、平和な一日だった