えだまめをもぐ

小学校から大人まで枝豆もぎは☆の仕事だった

 

学校から あるいは遊んでから家に帰ると台所に どーん と枝豆の山がある

 

あればもぎとる それが仕事だ

いいわけなど存在しない

だいたい、いやだと思わない

 

笹の葉さらさら みたいな大きな枝の端っこから順に枝だけにしていく

全部取るから枝だけ残る

 

必然的に枝だけ残る

豆のかごも枝もそのまま置いておく

 

いつの間にかゆであがって食卓に上がったり

父の宴会に持って行って何にも残っていなかったりする

 

食卓になければ枝豆の処理をしたことすら記憶にない

それほど「当たり前」のことだった

 

 

 

 

仙人は畑が好きだ

ある年枝豆を育てた

枝を山ほど持ってきたので手分けをしてもぐ

仙人は目で視て豆を取る

星ははじっこからなにも考えずにもぐ

星の枝には豆はない

 

仙人は最後に枝の点検をして残ったのを取る

それが当たり前らしく 取りこぼしを探しながら取っていく

 

星はそれをしない

だって 残っているわけがない

父の教育のたまものなのだろう

 

仙人が☆の仕事後を丹念に調べる

一つでも残っていたら「あった、あった」と大喜びで見せつけるのだろうが・・・

 

そうはさせるか 父の教えは完璧なのだから

私は仕事なら競争をしない

強いて言うなら 完璧かどうかのラインはある

 

仙人は家族の誰よりも一番を望む

 

・・・しるか!!

 

以降仙人は枝豆もぎをしない

取ってきた豆付き枝は山になって無言の状態

 

 

・・・☆は黙って豆をもぐ

 

 

思想封じに☆は沈む

仙人の辞書の「迷惑」は己にかかるモノであって他人にかけるという概念すら書かれていない

人が迷惑に思っているなんてみじんも気がつかない

 

 

仙人の親の家と☆の家は血縁の全くない縁のある家だ

東京へ出るときは当たり前に宿にする

故に気を許す場所である

 

仙人はその家の長男だ

仙人の親の家でくつろいでいると

「おまえはだめな人間だから僕と結婚して何でも言うことを聞かないともっとだめな人間になる」

 

普通なら聞く耳を持たない言葉である」

生涯を持って生まれた☆にとっては「だめな人間」は耳たこである

いくら言われても いやな気分だけでそれ以上にはならない

そんなことを言う人を好きになる必要もない

つきあう義務もない

勝手にほざけ、 である

 

たぶんだが、父が「おまえはだめな人間だから言うことを聞かなくてはならない」と刷り込んだに違いない

父の言葉には☆は逆らえない 逆らわない

仙人の言葉は逆らうことを許さなかった 

いいや、気を許していた隙を突かれて動揺している内に何度もかぶってくる「おまえはだめな人間だから言うことを聞け」という暗示に飲み込まれてしまった

 

「ああ 逃げられない、」

かなしいかな あらがえない 諦めてしまった

それからひたすら 「おまえはだめな人間」を繰り返されておぼれていく

 

母は反対してくれた そうだ

父は母に「じゃ、おまえが一生☆のメンドウを視る気か」ととう

母は「それはできない」と反対することをやめた と後から聞いた

 

家の名を汚す存在は父の汚点で敷かない

ホシがどんなに自立しようが努力しようが戸籍から消えることを望まれる

その当時☆は大会社で自立生活をしていた

家に経済的迷惑はかけていなかった それでも邪魔

存在自体が邪魔だと改めて思い知らされた

 

父と仙人の願いは叶ったのである

ホシは墓屋の外だ

 

逃げ道を奪われ狩られた☆には「ひたすら迷惑」でしかない

☆は医大の蛇を思い出す

蛇のえさに生まれついたのだろう

そうに違いない

諦めることを受け入れてしまったあの時から

ホシは餌の運命から逃れられない

ホシには「すばらしい出会い」もたくさんあった

仙人との出会いは☆「最大最強の負の出会い」で

あらがえなかった自分を呪いたい

 

それでも何度も思った

母上様 もうちょっとがんばってほしかった

思う回数以上に落ち込む

やっぱり自業自得 諦めた時点ので☆の負けだ

猫よっといで

飼い猫が死んでから我が家は鼠に無防備な状態が続いている

農村地帯で鼠と言えば野ねずみ

ドブネズミもいるらしいけれどもちっこい鼠が多い

外に食べ物がある時期はあまり家に入る心配はない

が 一旦入られると 環境のすばらしさに出て行こうとしない

全く困ったものだ

 

==猫が外にいると鼠は中が安全である==

以前、が我が愛猫を外に出した事がある

暖かい気候で猫は困る様子もなく屋根裏や物置で過ごしていた。

家の中は猫に荒らされることがなくなりきれいになるはずだった

カサカサ ピタッ カサカサ・・・・

は 夜中にもかかわらず飛び起きた

大きな洋服ダンスや和タンスをどけてみた

畳にわらの家ができていた

その時点で猫は起こされて呼び入れられた

我が家は以前にも増して猫天国になった