えだまめをもぐ

小学校から大人まで枝豆もぎは☆の仕事だった

 

学校から あるいは遊んでから家に帰ると台所に どーん と枝豆の山がある

 

あればもぎとる それが仕事だ

いいわけなど存在しない

だいたい、いやだと思わない

 

笹の葉さらさら みたいな大きな枝の端っこから順に枝だけにしていく

全部取るから枝だけ残る

 

必然的に枝だけ残る

豆のかごも枝もそのまま置いておく

 

いつの間にかゆであがって食卓に上がったり

父の宴会に持って行って何にも残っていなかったりする

 

食卓になければ枝豆の処理をしたことすら記憶にない

それほど「当たり前」のことだった

 

 

 

 

仙人は畑が好きだ

ある年枝豆を育てた

枝を山ほど持ってきたので手分けをしてもぐ

仙人は目で視て豆を取る

星ははじっこからなにも考えずにもぐ

星の枝には豆はない

 

仙人は最後に枝の点検をして残ったのを取る

それが当たり前らしく 取りこぼしを探しながら取っていく

 

星はそれをしない

だって 残っているわけがない

父の教育のたまものなのだろう

 

仙人が☆の仕事後を丹念に調べる

一つでも残っていたら「あった、あった」と大喜びで見せつけるのだろうが・・・

 

そうはさせるか 父の教えは完璧なのだから

私は仕事なら競争をしない

強いて言うなら 完璧かどうかのラインはある

 

仙人は家族の誰よりも一番を望む

 

・・・しるか!!

 

以降仙人は枝豆もぎをしない

取ってきた豆付き枝は山になって無言の状態

 

 

・・・☆は黙って豆をもぐ

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です