汽車の窓から顔を出してはいけないよ

小学5年の時夜汽車に乗って静岡へ行った

 

どこかの駅で暇になる

5才下の弟が一緒で母は弟を視ている

 

待ち合わせだろうか、汽車は動かない

 

ヒマ

外は真っ暗

 

ヒマ

ちょっと窓の外を見る

窓から首を出して見る

遠くにとっても明るい光があった

ものすごく明るくてワクワクする

小さかった光はどんどん大きくなる

まぶしい程の光は

ふーっと見えなくなった

首を引っ込める

刹那? とたん? 

一秒もたたずして 言いようのない音と共に突風に襲われる

 

声も出ない

唖然である

 

間をおいて 納得する

ああ、あの光は隣の線路を走り抜けた汽車の明かりか・・・

母に見られていなかったことに安心する

 

3年の時の吸い込まれる風もすごかった

 

汽車って・・・・接し方で危ないものだと改めて思い知る

 

密かに自分を戒める

 夜は汽車の窓から顔を出すのはやめよう

 

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