☆の視点で父の話を少ししよう 4
結核治癒後の父は時間があれば寝ていた
☆はそれが普通だと認識していた
でも 思い出すと母の居眠りなど見たことがない
☆の視点で父の話を少ししよう 5
父には固定観念があった
盲目はバカである
☆は父の生徒の枠から外された
教える価値のないものとして
バカは人のために役に立つことで存在を許される
盲目は我が家に存在するだけで父に取って害である
父は優秀な教師である
☆というなまえ
☆はだめな人間である
☆はうさぎがすきである
父は☆の魂に刻んだ とおもわれる
☆は気がつけば「うさぎ」が好きだった
父の「ダメ」は絶対だ
父の「だめな人間」に絶対にあらがうことはない
うさぎはニンジンや緑の草がすきだ
ウサギは耳が長くてふわふわで赤い目をしている
ウサギはぴよんぴよん飛んで走る
いいことばかりだと思い込んでいた
父が ☆はうさぎ年だからニンジンが好きだ と言えば
☆は うさぎ年だからニンジン好きなの とはしゃいで食べた 暇な幼稚園生活の頃の話である
草の中に隠れるのも好きだった