仙人物語15 スイカ2 悟りは一生もの

仙人がまだ仙人のタマゴだった小学生のころ

世の中にサッカーは普及していない
一般家庭に冷蔵庫は存在しない
スイカは○のまま水道で冷やすか井戸や池などに浮かべて冷やす

仙人は学校から帰ってヒマ
部屋の中にまあるい大きなボールを見つけた

「なんて大きいボールなんだろう」

「緑でしまもようがあってとてもきれいだ」

「おもい」

仙人、そっとける
そのものはゴロゴロ音をたてて転がって止まる

「わー、おもしろい」

もっと強く蹴る

ゴロゴロゴロ・・

仙人追いかけて思いっきりける

ゴロゴロゴロゴロ ドカンバシャンベチャ

ボールはわれて中から赤いお水がとんだ

「あっ、中は赤い!」

大きな音に驚いた母親は唖然と立ち尽くす

冷やしていないスイカは大変まずく
割れてしまったから、と 大量に食べされられて

仙人はたくさんの悟りををひらく
スイカまずい、
特にぬるいのは大変まずい
真ん中だけ甘くてとてもおいしい 
種をクチに含んで飛ばすのはとても楽しい
蹴ってはいけない

 

 

仙人は大人になっても悟りは揺るがない

仙人は スイカの真ん中しかおいしく食べない
仰木型の大部分は種を飛ばすためにある
もちろんよそ宅では一切れおいしそうにいただく、それは礼儀だからだ

仙人はまあるいスイカはとても好きでお土産にいただくとお池に浮かべて満足する

ぷかぷかスイカを眺めていつまでも切らない
一週間もぷかぷか浮かぶスイカを眺めてはほくそ笑む
所在不明と判断されたスイカは何処ぞの家に持って行かれ謎の落とし物として胃袋に入る 
仙人はたのしい 
世のために役に立った

 

仙人物語14 スイカ2 こころの声は聞こえないふりが平和

雹被害のスイカをいただいてから何年も過ぎた頃

仙人を訪ねてきた人が 抱えるのが大変な程のスイカをお土産にくださった

仙人は満面の笑顔でいただく
スイカの姿は大好きなのだ

うちの敷地に=私は見たことがない=水神様がまつられていてその先=隣の家の敷地内=に水場がある
共同で使っていいそうだが我が家は掃除をしないのでなんとなく=私は=使いすらい

仙人はビールなどを冷やすのに使っている

仙人はお客さんと一緒にスイカを抱えて水場に浮かせてきた
お客様は素敵な冷やし方だと喜んで帰って行った

一週間後

よく冷えたスイカは誰かのおなかに収まったのだろう

スイカが無くなった時は無言であるが
仙人は時々言う

人は無意識が行動に出る
「つもり」がなくても心の奥で願ったことが行動に出る

仙人様は そういった凡人が犯すような不用意な行動は卒業澄み出そうだから

誰かがスイカを持って行くのを願ったわけがない

一週間が長すぎただけだ
・・・あはは・・・
実に楽しそうに笑う

仙人の心の声が叫んでいる
   スイカは嫌いだ
ついでに幻聴が響く
   ほかのお土産が良かった
   ケーキとか
   羊羹とか、
   どら焼きとか・・・

私は心理学の悟りなど開いていないから
「聞こえてない」 あが正しい選択である