黄色文字は読まなくて良いです
小学校の入学式に、とセーラー襟の水色ワンピースを買ってくれた
大変気に入ってルンルンな☆
入学式の朝は騒がしかった
いつまでたっても出かけない
とっくに始まっている時間でもまだ出かけない
玄関は人が出入りして近づけない
大きな部屋には白い布をかけた台がおかれて見に行くと邪魔だと叱られる
一人ぽつんと立って待つ
やっと学校につれてってもらったら講堂は長―いゴザがいくつも敷いてあってたくさんの一が正座していた。
講堂の後ろの方は大人がぎっしり立っている
前の方で誰かがお話をしている。
誰かに連れられて正座の仲間入りをした。
ふと 教会を思い出す。
☆は迷子じゃない。
黙って座る。
お話が終わると前の方で誰か(上級生)が歌を歌ったりしてたような・・・
全部終わると立って教室に移動した。
上履きを探した記憶がない
並び順に困った記憶もない
ついて行けなくて戸惑った記憶もない
☆はちっとも困らないで教室へ行った
家に帰ると家は人であふれていた
大きな部屋の白いシーツの周りはお花がたくさんあってきれいだ
除くだけで叱られて追い出された
☆は近づきたい
大人は追い出す
☆は我慢強い
誰もいない隙を狙って
お花に見入る
棺があるなんて知らないし関係無い☆はお花が見たい
外には棒の先にお花の輪がついたのが並んでいる
近寄ると叱られる
みたい
こっちはかなわないうちになくなった
大勢の人が出入りして 三日間で白いシーツはなくなった
入学式から帰った☆に姉が食べるように、と白くて平べったい楕円に茶色で何かが描いてあるものをくれた
中があんこで飛びついた
三日も食べれば飽きる
堅くなる
葬式まんじゅうは☆のお葬式にはいらない
後で知った事だが
入学式の日の早朝この家の祖母(両親の親ではない、麦こがしの祖母)がなくなったのだそうだ
この祖母は☆に意地悪なのだ
昔だから葬式は当然家で行う
我が家はその昔お殿様の弟が開いた家、とかで学識がそれなりに高いらしい
家を仕切ろうとするものたちに囲まれて母は大変だったろうと 今なら思う
何しろなくなったのが☆の入学式当日の朝5時
入学式を休むかどうかで少々もめたらしい 母が出席させたいとがんばったのだそうだ。
母は思い出してぼやいていた
☆にはいろいろ手がかかった、と
大人になった☆はぼやく
☆のせいじゃないし
思い出が多くて話題に困らないじゃないか!!
コノヤロウ
入学式から帰ってから3日間はすべて学校も家も姉と過ごした
姉は3才年上だ
3才しか年上でない
三日後母に会った
☆が三日もあってなかった、と言うと
母は驚いたように 毎日会ってたじゃない と言う
母は☆を見ていたけど☆には母は見えなかった と言うことだろう
☆の人生は小説みたいに波乱万丈なのだ