父に歌を教わる

父が東京で教師をしているときに合唱コンクールの指導もしたそうだ

戦後なので専任教師がいなかっただろうが

クリスチャンの家庭に育った父はオルガンで賛美歌を弾けるのだ

母もバイエルは卒業してるんだよね

教師ってマルチだね

ただ、残念なことに家にはオルガンがなかった

 

☆は歌うのが好きだ

聞き覚えの歌をピーチクパーチクやってるのを見て父は歌を教えてくれた

 

故郷

 

うさぎ追いし かの山

 

歌い出しが うさぎ である

父は丁寧に教えてくれた

3番まで全部覚えても うさぎ が出てくるのは最初だけ

それでも良く歌った

 

故郷は父の故郷を歌ったみたいな歌だ

うさぎ から始まるから喜んで歌うだろうと選ばれたのかも知れない

 

 

ウサギは追われ狩られるる身

当たり前の 食料 である

 

ちなみに おいしいらしい

 

 

 

待ちぼうけ

 

父は歌を教える前にお話をしてくれた

うさぎが木の根にぶつかって死ぬと子など身振りを添えて。

☆は単純大喜びで聞き入る

 

そして歌を教える

快活なリズムに乗って物語が紡がれていく

間奏も歌の一部、と言うより間奏がとくに好きだった

 

働き者の農夫が 勝手に飛び込んで切り株に当たって勝手に死んで棚ぼたのウサギを食べてよほどうれしかったのだろう

待てばウサギが食べてもらいにやってくる、と 怠けて落ちぶれる歌。

 

ウサギは来るかも知れないけれど畑を耕してはくれないよね

 

☆が学ぶべきことは

前も見ずに勢いよく突っ込んで自滅するウサギのほう

前を向いて よく見て 歩きましょう

そうすれば 農夫は怠け者にならなかった

 

悪いのは勝手に餌になった うさぎ である

 

父は何を教えるか!

☆はなんの怪訝もなく覚える

 

 

 

兎のダンス

 

ソソラ ソラソラ うさぎのダンス

タラッタ ラッタラッタ ・・・・

調子良いんだよなぁ

脚でけりけり ピョコピョコ 踊る

耳にはちまき ラッタラッタ・・

 

耳にリボンなら可愛いけどはちまき

踊りと言ったら盆踊りなんだ 時代を感じる

なんて思うのは大人になってから

 

 

あわて床屋

 

時間がない、と焦る兎が カニのとこやに耳を切られる話

絵本では兎の片耳はなくなっている

残酷物語だ

 

☆は学ぶ

落ちつかない兎が悪い

カニは被害者だ

 

目が悪い☆は車にひかれても文句は言えないのである

 

父はスキップも教えてくれた

 

タラッタ ラッタラッタ

ピョコピョコおどる

兎が跳んででて

ころり転げた木の根っこ

チョッキン チョッキン チョッキンな

 

☆は近所中スキップでサイレンのごとく歌いながら踊り回る

 

 

どこかのおばさんが

歌上手だね、と褒めてくれた

☆はますます元気

 

 

父はたくさんの童謡唱歌を教えてくれた

意図するところは☆の知ったことではない

毎日近所中に美声を聞かせた

 

 

 

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